ブラックリストとは

債務整理をすると、いわゆる「ブラックリスト」状態になってしまいます。

ブラックリスト状態になると、住宅ローンや車のローン、クレジットカードの発行などができなくなります。

ただし一定期間が経過するとブラックリスト状態は解消され、また元のように借り入れができる状態に戻ります。

ブラックリスト状態とは、個人信用情報に事故情報が登録されてローン借り入れやクレジットカードの発行ができなくなった状態です。

債務整理をしてブラックリスト状態になると、どこの金融機関の住宅ローンや車のローンに申し込んでも審査に通りません。審査が甘いといわれているクレジットカードを選んで申し込んでも落とされてしまいます。

スマホ端末の分割払いもできなくなるので、端末を買い替えたいなら一括払いしなければなりません。

債務整理をすると一定期間はブラックリスト状態になるので、少々不便な生活になるでしょう。ただし過払い金請求をした場合にはブラックリスト状態になりません。

ブラックリスト状態になるのは「個人信用情報」に「事故情報」が登録されるためです。

日本には以下の3つの信用情報機関があり、それぞれが個人の信用情報を管理しています。

・JICC

・CIC

・KSC

貸金業者や金融機関は上記の信用情報機関のいずれかに加盟しており、ローンやカードの申込みを受けると情報照会して申込者の信用情報の内容を確認します。

そのときに事故情報が登録されていると、「不払いリスクの高い人」と判断されるので、審査に落とされてしまいます。

個人信用情報に事故情報が登録されてブラックリスト状態になる原因は、主に以下の2つです。

債務整理

任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理を行うと個人信用情報に事故情報（異動情報、遅延情報、代位弁済情報、官報公告情報など）が登録されてブラックリスト状態になります。

ただし過払い金請求をした場合には事故情報は登録されません。過払い金請求をしてお金を取り戻した場合、すでに借金を完済しているので「不払いを起こした」とはいえないためです。

借金の長期滞納

債務整理をしなくても、借金を返済せず2～3ヶ月程度滞納すると個人信用情報に事故情報が登録されます。

借金返済に困ったとき、「ブラックリストになりたくないから債務整理はやめておこう」と考える方がいますが、結局遅延するとブラックリスト状態になるので意味がありません。

遅延する前に債務整理を行い、トラブル解決する方が得策です。

ブラックリスト状態になると、以下のようなことができなくなります。

・消費者金融からの借り入れ（キャッシング、カードローン、リボ払い、分割払いなど）

・クレジットカードの新規発行（既存のカードは利用停止）

・銀行ローン（住宅ローン、マイカーローンなど）

・公庫のローン（住宅金融支援機構、日本政策金融公庫のローンなど）

・奨学金の借り入れ

・保証人や連帯保証人になる

・スマホ端末の分割払い

・信販系の保証会社が入る賃貸借契約（一般的な不動産賃貸借契約の審査には通ります）

債務整理によってブラックリスト状態になっても一生続くわけではありません。

おおむね「5～10年程度」が経てば事故情報は消去されます。

債務整理の手続きによってもブラックリストの期間は異なります。

任意整理であれば5～7年程度ですが、個人再生や自己破産の場合には10年程度続く可能性があります。

特に銀行などの金融機関が加盟しているKSCでは個人再生と自己破産の「官報公告情報」を10年間登録し続けるので、銀行系のローン利用に支障が生じやすいといえるでしょう。

いったん債務整理を行っても数年経てば情報が消えている可能性があります。ブラックリスト状態を解消したかどうか確認するにはどうすればいいのでしょうか?

各信用情報機関では本人からの情報開示請求に応じています。

すべての信用情報機関で「郵送」による申請を受け付けており、JICCやCICでは窓口申請も可能です。

JICCでは専用アプリを使った申請、CICではウェブ上ですぐに閲覧できるサービスも利用できます。

窓口申請の場合手数料は500円、それ以外の場合の手数料は1000円となっています。

債務整理後一定期間が経過したら、それぞれの信用情報機関へ情報開示申請をしてみましょう。

事故情報が消えていることを確かめてから新たにローンやカードの申請をすると安心です。

今借金問題を抱えているなら、ブラックリスト状態をおそれるよりも債務整理をするようお勧めします。支払いを遅延すると結局はブラックリスト状態になってしまいますし、厳しい督促を受けたり差し押さえをされたりして不利益が大きくなっていくためです。

ブラックリスト状態でも便利に生活する方法はあります。

札幌エリアやその周辺で借金トラブルにお困りの方がおられましたらお気軽に司法書士までご相談ください。